漆支紙器のプロジェクトのスタートを
最初の最初まで遡ることは難しいけれど、
具体的なきっかけになったのは、2005年冬、
あるデザイナーから誘われて輪島に行ったことだった。
金沢に住んでいたことや日本美術史を専攻したいた
ことから、漆器自体は親しみのあるものだったが、
漆器づくりともなると、まったく知識もないものだったが、
そのときの縁がきっかけで、紹介してくれたデザイナーの
後押しもあり、運良く漆器の開発に
携われる機会をいただけた。
しかし、せっかくのその機会を活かしきれないまま、
自分のマネジメントや企画力の不足と、
思っていた以上に奥深い漆の世界に圧倒され、
その開発自体は頓挫してしまった、、、、
しかし、それ以来、頭の中にずっと漆のことは
気に掛かったまま残っており、また、調べれば
調べる程に、漆への興味は深まっていった。
その後、作品を見てまわり、作り手を訪ねてまわった結果、
"すばらしい"という言葉だけでは到底足りない程の
技巧と創意が重なり合った作品達を目にしながら、
おいそれと一朝一夕では、日本の漆文化の系譜の上に
新しい一歩を進めることがどれだけ困難であるかという
ことを知り、
それと同時に現代の漆器作りの抱える問題点や
課題の多さを知る事にもなった。
そこから、頓挫したプロジェクトをささやかながら、
まずは自分だけで、再スタートさせることになる。
それが今回の漆支紙器の開発の本格的なスタートとなる。
つづく。