2008年7月1日火曜日

漆支紙器ができるまで〜その1

漆支紙器のプロジェクトのスタートを
最初の最初まで遡ることは難しいけれど、
具体的なきっかけになったのは、2005年冬、
あるデザイナーから誘われて輪島に行ったことだった。

金沢に住んでいたことや日本美術史を専攻したいた
ことから、漆器自体は親しみのあるものだったが、
漆器づくりともなると、まったく知識もないものだったが、
そのときの縁がきっかけで、紹介してくれたデザイナーの
後押しもあり、運良く漆器の開発に
携われる機会をいただけた。
しかし、せっかくのその機会を活かしきれないまま、
自分のマネジメントや企画力の不足と、
思っていた以上に奥深い漆の世界に圧倒され、
その開発自体は頓挫してしまった、、、、

しかし、それ以来、頭の中にずっと漆のことは
気に掛かったまま残っており、また、調べれば
調べる程に、漆への興味は深まっていった。

その後、作品を見てまわり、作り手を訪ねてまわった結果、
"すばらしい"という言葉だけでは到底足りない程の
技巧と創意が重なり合った作品達を目にしながら、
おいそれと一朝一夕では、日本の漆文化の系譜の上に
新しい一歩を進めることがどれだけ困難であるかという
ことを知り、
それと同時に現代の漆器作りの抱える問題点や
課題の多さを知る事にもなった。

そこから、頓挫したプロジェクトをささやかながら、
まずは自分だけで、再スタートさせることになる。
それが今回の漆支紙器の開発の本格的なスタートとなる。

つづく。

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